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月別アーカイブ: 2025年9月

第14回制御盤設計雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社ツバサオートメーション、更新担当の中西です。

 

 

~“やりがい”~

 

1|制御盤装置業で働く「やりがい」💎

① 社会インフラを支える誇り
工場の生産設備が動き続けるのも、ビルの空調やエレベーターが安全に運転できるのも、制御盤が正しく機能しているから。自分の仕事が社会の安定稼働に直結しているという責任感と誇りが大きなモチベーションです。

② 技術の奥深さを追求できる
電気回路、PLCプログラム、通信ネットワーク、熱設計、安全規格…。制御盤は「電気・機械・IT」が融合した領域であり、幅広い技術を吸収しながら成長できるのが魅力。📚💡

③ ものづくりの達成感
一台一台の盤はオーダーメイドが基本。設計から組立、試験を経て稼働した瞬間には、チーム全員での達成感があります。特に大型ラインの立ち上げで通電試験が成功する瞬間は格別。

④ 改善提案が形になる面白さ
盤内の配置改善で配線効率を高めたり、熱対策で寿命を延ばしたり、ソフト更新で操作性を上げたり…。自分のアイデアが製品や現場で活きる点も大きなやりがい。✨

⑤ グローバルに通用する技術力
制御盤はUL・IECなど国際規格対応が必須。世界中で共通に通用する知識や経験を積めるため、エンジニアとして市場価値が高まります。


2|制御盤装置業における「ニーズ」✅

A. 生産効率化・コスト削減
企業は競争力を高めるため、短納期・低コスト・高信頼性の盤を求めています。モジュール設計やE-CADの導入で効率化を実現できる人材・企業が評価されます。

B. DX・IoT対応
制御盤は単なるスイッチ箱ではなく、データを集約・通信する「情報ハブ」へ。IoTゲートウェイやリモート監視に対応した設計が強く求められています。📡

C. 機能安全・規格準拠
ISO 13849、IEC 62061などの機能安全規格、UL508AやIEC61439などの国際規格対応は必須条件。規格理解と安全設計力は業界での重要ニーズです。

D. 人材不足と技能継承
熟練技術者が不足する中、若手育成・標準化・デジタル教育が課題。現場では「多能工化」や「自律的に改善できる人材」が求められています。👷‍♀️

E. 環境・エネルギー対応
省エネ設計、再生可能エネルギー設備への対応、カーボンニュートラルを意識した部材選定など、環境配慮型の盤設計も新しいニーズに。🌱


3|これからの制御盤業界の展望 🚀

  • エッジAIによる異常検知:盤自体が判断し、故障前に通知する未来。

  • デジタルツイン設計:3Dシミュレーションで熱・EMC・配線を仮想検証。

  • サブスク型サービス:盤を納めて終わりではなく、遠隔監視・保守契約で長期収益化。

  • 人材多様化:電気だけでなくITやデータ解析ができるエンジニアの価値が上昇。


まとめ ✨

制御盤装置業は、社会を支える責任感、ものづくりの達成感、国際規格に通用する専門性といった大きなやりがいを持つ仕事です。
同時に、市場は効率化・DX・安全・環境配慮・人材育成といった多様なニーズを突きつけています。

まさに制御盤業界は「挑戦と進化のフィールド」。技術者一人ひとりの成長と改善提案が、未来の社会インフラを形づくっていくのです。⚡🌍

 

 

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第13回制御盤設計雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社ツバサオートメーション、更新担当の中西です。

 

 

~“変遷”~

 

工場設備、ビル、インフラ、再エネ…あらゆる“動く仕組み”の心臓部が「制御盤」。その設計・製造・保全の在り方は、技術と産業構造の変化に合わせて大きく進化してきました。本稿では、制御盤装置業の変遷を技術・設計手法・規格・ビジネスモデルの観点から整理します。


1|リレー全盛期(〜1970年代):配線芸術の時代 🧰🧵

  • 技術の主役:電磁リレー・タイマ・カムスイッチ。

  • 設計手法:紙面の回路図と職人の“手配線”。配線ダクトと番号チューブで美しく束ねる技能が価値。

  • 特長:シンプルで堅牢。ただし変更に弱く、配線点数増で盤が大型化しやすい。

  • 安全・規格:国内規格中心。安全柵・インターロックは機械式が主流。


2|PLCの登場(1970〜1980年代):“ロジックをソフトに”🧠💡

  • 技術の主役:PLC(シーケンサ)の普及で、リレー論理をプログラム化

  • 設計手法回路最小化+I/O設計へ。盤は小型化し、改造・増設が容易に。

  • HMIの萌芽:ライト・7セグ表示→小型表示器へ。

  • 品質・保全:自己診断・故障履歴が取りやすくなりダウンタイム短縮


3|フィールドバスとFA統合(1990年代):配線“点から線”へ🔗

  • 技術の主役:PROFIBUS、DeviceNet、CC-Linkなどのフィールドバス

  • 効果:I/O配線の削減、ノイズ耐性・診断性の向上、分散制御が一般化。

  • SCADA/上位接続:現場盤が情報を吸い上げ、監視PCと双方向通信

  • 設計の変化アドレス設計・ネットワーク設計が盤設計の中核に。


4|HMI/ネットワーク化(2000年代):見える化と標準化📊🌐

  • 技術の主役:タッチパネルHMI、産業Ethernet(EtherNet/IP、PROFINET、EtherCAT など)。

  • 設計手法モジュール化ユニット設計が進み、UL508A・IEC規格対応が普遍に。

  • 熱設計:高密度化で盤内温度管理(ファン・熱交換器・ダクト設計)が重要テーマに。

  • ドキュメンテーション:E-CAD(例:EPLAN)で回路・配線・部材表の一元管理が加速。


5|IoT/インダストリー4.0(2010年代):データが資産に📡📈

  • 技術の主役:IoTゲートウェイ、クラウド連携、データ解析。

  • 盤の役割:制御に加え状態監視(振動・温度・電流)予知保全のデータハブへ。

  • セーフティ:ISO 13849 / IEC 62061 による機能安全(PL/SIL)設計。安全リレー・安全PLCの採用が常態化。

  • サイバーセキュリティ:リモート保守の普及でアクセス制御・暗号化が必須要件に。


6|エッジAI×電動化(2020年代〜):小さな盤で大きな知能🤖🔋

  • 技術の主役エッジAIによる異常検知、**可変速ドライブ(VFD/サーボ)**の高度化、再エネ・蓄電池連携。

  • 設計潮流

    • 超小型化:高密度端子・薄型ブレーカ・プラグインI/O。

    • デジタルツイン:盤の3D配置・熱流体シミュレーションで初期段階から品質を作り込む

    • 配電×制御の一体最適化:盤内短絡耐力・アーク対策、EMC設計の先回り。

  • 規格・環境:IEC 61439、UL508A、RoHS/REACHなどグローバル対応が前提。

  • ビジネスサブスク型遠隔監視ライフサイクルサービスで“作って終わり”から“運用で稼ぐ”へ。


機能ブロック別に見る“進化ポイント”🧩

  • 電源・配電:機器の省エネ化/直流化の活用、選択遮断・協調。

  • I/O層:スマートI/Oで配線削減、ホットスワップ対応。

  • 通信:冗長化(RSTP、PRP)、セグメント分離でトラフィックとセキュリティ両立。

  • HMI/運用:アラーム哲学、OEE連動、操作手順の電子SOP化。

  • 熱・EMC:初期段階からの熱設計・シールド・接地計画が歩留りを左右。


サプライチェーンと人材の変化 🏭👩‍🔧

  • 部材調達:半導体不足を契機に代替品評価・共通化が重要スキルに。

  • 生産方式:セル生産+外注配線のハイブリッド、UL/CE検査の内製化

  • 人材像:回路・メカ・IT・安全規格にまたがる**“T型”から“Π型”エンジニア**へ。現場は多能工化。


いまの競争力を決める5つの鍵 🔑

  1. モジュール設計(派生機種を高速展開)

  2. デジタルエンジニアリング(E-CAD/BOM/熱解析の一気通貫)

  3. 機能安全+サイバーセキュリティの両立

  4. 遠隔監視サービスで継続収益を確保

  5. グローバル規格適合とトレーサビリティの強化


これからの展望 🚀

  • **盤=“設備OS”**へ:制御・配電・データ・安全を束ねるプラットフォーム化。

  • エネルギーマネジメント連携:PV/ESS/EV との統合制御でピークカット・系統連携が標準に。

  • AI設計支援:自動配線計画・部品選定・発熱予測で設計の自動化が進行。

  • 循環設計:再生プラ部材、リユース盤、ライフサイクルCO₂可視化などサステナブル対応が競争軸に。


まとめ ✨

制御盤装置業は、リレー時代の手配線からPLC・ネットワーク・IoT・エッジAIへと進化し、

  • 小型・高密度

  • 規格順守と安全性

  • データ駆動の運用価値
    を同時に求められる産業へ。これからは設計〜運用〜保全をつなぐ“サービスまで含めた価値提供”が勝敗を分けます。

 

 

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