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皆さんこんにちは!
株式会社ツバサオートメーション、更新担当の中西です。
⚙️ 第10回 制御盤設計雑学講座
~小型化・省スペース設計の工夫~
今回は、制御盤設計における**「小型化・省スペース設計」**について掘り下げてご紹介します。近年の製造現場では、「省スペース化」は避けて通れないテーマ。限られたスペースの中に、必要な機能と性能を詰め込みながらも、安全性・保守性・拡張性をどう維持するかが、設計者の腕の見せどころです💪
制御盤の小型化が求められる背景には、次のような要因があります。
🏭 設置スペースの制限:省人化・自動化が進む中で、設備機器そのものがコンパクト化。制御盤にも同様の小型化が要求されます。
💸 コスト削減:設置スペースを減らすことで、工場の床面積あたりのコストが抑えられるメリットも。
♻️ 省エネ・省資源:素材やエネルギーの使用量を減らし、環境配慮型の設計へ。
⚙️ メンテナンス性の向上:適切なレイアウトにより、省スペースでも効率的な保守作業が可能になります。
⛓️ リレーやタイマーなどは、多機能一体型のコンパクト製品を選定することで、スペースを大幅に削減できます。
📶 通信や制御機器はPLCやリモートI/Oなどを活用し、複雑な配線を減らすことで、内部空間を有効活用できます。
部品は上下・左右・前後の空間を意識し、立体的にレイアウトを検討しましょう。
よく触る機器(ブレーカー・端子台など)は手前側に配置し、点検・交換作業がしやすい工夫も大切です。
据置型から壁掛け・棚設置タイプに変えるだけでも、全体の占有面積を圧縮できます。
ヒンジ式や引き出し式の構造を採用することで、狭い場所でも整備性を確保できます。
小型化の際に最も見落とされやすいのが熱対策です。
🔥 ファンレス設計でも熱がこもらないよう、熱源の近接配置を避ける。
💨 必要に応じて小型ファンや換気ルーバーの追加で、熱を外に逃がす工夫が必要です。
📊 熱シミュレーションや温度モニタリングシステムを用いることで、設計段階から熱問題に対応できます。
ある中規模工場では、既存の制御盤が幅1800mm・奥行600mm・高さ2000mmという大型サイズで、現場スペースを圧迫していました。小型化設計を導入し、以下のように改善:
PLCやインバーターなどの省スペース機器に統一
制御部をモジュール化してユニット単位で配置
放熱対策として自然対流構造の設計を導入
その結果、盤サイズは約30%縮小しつつ、配線の整理によりメンテナンス時間を20%短縮することに成功しました✨
制御盤の小型化は、ただサイズを削ることではありません。「限られたスペースに最大限の価値を詰め込む」ことが、本当の意味での省スペース設計です。
そのためには、使用環境・機器特性・保守性のすべてを見極め、設計思想から見直す柔軟な発想が求められます。
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株式会社ツバサオートメーション、更新担当の中西です。
🔌 第9回 制御盤設計雑学講座
~配線の基本とトラブルを防ぐ配線設計術~
今回のテーマは、制御盤設計における“見えないけれど超重要”な部分、配線についてです。制御盤の中身を開けたとき、ケーブルが整然とまとめられていると、それだけで「プロの仕事だな」と感じられるものです。しかし、配線設計は単なる見た目の問題ではありません。誤作動の防止・メンテナンス性・安全性・コスト効率など、あらゆる要素に影響する“設計の質”を左右する要素なのです。
制御盤の配線を考える際にまず大切なのは、機能と目的に応じた設計です。信号線、電源線、アース線、それぞれの役割を正しく理解し、干渉やノイズのリスクを最小限に抑えるルーティングが求められます。
たとえば、DC24Vの制御線と200Vの電源線を同一ルートに束ねてしまうと、誘導ノイズによる誤作動や通信トラブルの原因になることも。配線の「分離」「交差」「距離の確保」は基本中の基本です。
使用するケーブルは、電圧・電流・伝送距離・設置環境(耐熱、耐油、可とう性など)を考慮して選定します。
制御線:IV線やVCTFなどが一般的。柔軟性が求められる場所では耐屈曲性の高いケーブルを使用。
電源線:大電流を流す場合は、CVやCVVなどを選定。
信号線/通信線:ツイストペアやシールド付きケーブルを用いて、ノイズ対策を強化。
また、線番表示(マーキング)も保守性に大きく影響します。あらかじめ「どの信号がどの端子につながるのか」を把握しやすくすることで、点検や故障対応の時間を大幅に短縮できます。
配線ルートは、盤内の温度や風通しも意識して設計することが重要です。熱源の近くを避け、ケーブルが自然に弛まない程度の適切なテンションでまとめるのが理想。固定には、インシュロック(結束バンド)だけでなく、ダクトや配線モール、ステップルなども活用して整然と配置しましょう。
さらに、メンテナンス性を意識した「分割可能なルート設計」もおすすめ。たとえば、将来的に機器を追加することが想定される場合は、予備のルートや空きスペースを残しておくと柔軟に対応できます。
配線不良によるトラブルは、制御盤トラブルの中でも頻出の原因です。以下のようなミスを避けることで、事故や誤動作のリスクを大幅に軽減できます。
圧着不良や端子の緩み → トルク管理と目視確認
絶縁不良 → スリーブ・チューブで補強
過大電流 → 適切な太さのケーブル選定と保護ヒューズ
配線ルートの混線 → 系統別でダクトを分ける
また、完成後の絶縁抵抗測定・導通試験を実施しておくことも重要な工程です。
配線設計は、単に「線をつなぐ作業」ではありません。設計者の意図・知識・現場の配慮が詰め込まれた、制御盤の“完成度を左右する要”とも言える工程です。
整然とした配線はトラブルを防ぎ、メンテナンス性を高め、そしてなにより「安心と信頼」を生み出します。制御盤設計のプロフェッショナルとして、一つ一つの線に責任と技術を込めて設計していきましょう!
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